• 残置型統合失調症
    (知的障害)

    地域
    福島県
    年齢
    50代
    性別
    男性

    障害の状態

    障害者雇用で就労を行っていたものの、家族の支援なしでは日々の出勤も日常生活全般の遂行も困難。 買い物などの外出はほとんどなく、食事も家族がすべて用意している状態で、対人関係がほとんどなく自閉的。 家族以外の人とのやりとりでは会話が成立しないことが多い状況でした。

    認定結果

    障害厚生年金2級

    受給額

    年金額
    約100万円

    経緯と対応

    相談のきっかけ

    支援者であったご両親が亡くなったことで、その後の支援をお兄様が担うことになりました。
    お兄様が将来の不安から障害年金について調べ、弊社のホームページをご覧いただきご相談をいただきました。
    お兄様と一緒に弊所にご来所いただき、詳しい状況をお伺いしました。

    対 応

    ご相談者様は療育手帳を取得しており、当初は知的障害として障害年金手続きのご相談でした。
    また、長期間にわたり障害者雇用で就労実態がありました。

    もちろん、障害年金の申請においては、就労している事実があっても受給が可能です。
    ただし、精神障害や内科系の疾患では、就労状況も含め総合的な審査が行われるため、少なからず審査に影響あります。
    ご相談者様が障害者雇用とはいえ、長期的な就労ができていた背景には、若い頃に縁故採用していただいた、障害者雇用に積極的な企業において、多大な配慮の下で軽易な業務を行っていたことがあります。それでも実際には欠勤や早退も多く、安定した就労とは言えない状況で、家族や職場からの支援を受けながら働き続けていました。

    今回は50代になってからの手続きで、それまで途切れなく厚生年金期間が継続していましたので、ご本人が長期間の就労が可能であった背景や理由を審査側に伝えるため、企業に連絡を取り、普段の就労状況や支援内容、異常行動の有無などを確認し、証明書を作成していただきました。
    日常生活の状況や経過についてもご家族から詳しくヒヤリングを行いし、医師に診断書の依頼を行いました。

    しかし、診断書取得の過程で新たな問題が発覚しました。
    診断書作成のため、知能検査を行った結果、軽度知的障害には該当しないギリギリのIQ結果が出てしまいました。その上で、医師が症状や状況を総合的に判断した結果、「残置型統合失調症」の診断となりました。
    精神の障害では通常、複数の病名がある場合でも、それらは同一の傷病として扱われ、総合的に認定がなされます。しかし、知的障害と統合失調症は経過次第で別の障害として扱われることがあります。

    本件では知的障害の診断名はつかなかったものの、すでに療育手帳を所持している状況ではありましたので、知的障害の取り扱いに則って初診日が出生日になることも想定されました。しかし、状況から統合失調症と知的障害が別々の障害として認定可能な状況で、統合失調症の初診日は厚生年金であったため、ご本人にとって有利となる厚生年金での手続きを進めることにしました。

    改めて初診日の確認を行い、障害厚生年金としての手続きを進め、年金事務所に提出。返戻もなく2ヶ月半ほどで無事に障害厚生年金2級の認定を受けることができました。

受給事例を検索する